インド式「グルノート」の秘密
ひょんなことからこの著作『インド式「グルノート」の秘密』を知り、非常にポップな装丁とは裏腹な、生きる上で大切にできたらと思えるフレーズが多くまとめられていたので、ここに部分的な抜粋を記しておこうと思います。
今回の記事も、完全に主観による抜粋です。当然本著内にはより詳細な説明がありますので、興味のある方は、手にとって読まれることをおすすめいたします。
結論としては、以下のような方に向いた内容になるかもしれません。
- 日記などの日々の記録に、心のあり様をベースにした行動指針がほしい
- 日常の予定が、感情面が妨げになって実行できない
- PDCAサイクルのバリエーションが欲しい
- 純粋にインド式「グルノート」に興味がある
それでは、以下抜粋となります。
人は「苦しんでいる状態」か「美しい状態」の二種類しかない
どちらの状態で多くの時間を生きているかによって、幸せな人生と感じたり、不幸な人生だと感じたりするのだ。
どうせ生きるならば、だれだって愛がいっぱいで感謝だってしたい。
幸せはこの三つからできている
幸せ、いわゆる幸福というのは美しい状態のことをいい、そのためには、つながっている意識を理解して生きる必要があります。
そして人生では、幸せは大きく分けて三つの要素が元になっているのです。
一つ目は、自分自身をさまざまな側面から見て「好きかどうか」です。
自分を大切に愛すること、自分に成長の機会を与えてあげることが大事です。
二つ目は、良い人間関係が築けているか。
だれひとりとして同じ人間はいません。それを理解して、より良い人間関係を育てる努力が大切なのです。
三つ目は、自分の使命を知り、それによって人や社会に貢献しているかどうかです。
一日五分で苦しみから解放されて「ブッダ」になる方法
「ブッダ」とはサンスクリット語で「目覚めた人」「覚者」。すなわち本質や真理を知っている人で「苦しみのない人」だとグルは教えてくれた。
苦しみの消え方は二種類あります。
一つは、ただ気がついていくだけで簡単に消えていくもの。
もう一つは、体を静止させ、目を閉じ呼吸に意識を向けながら内側を観察し、苦しみの原因を見ることで消えるもの。
その苦しみが完全に消えていくまで見ていくと、やがて美しい状態として生きていくことができるのです。
人生では、まず立ち止まる時間、休む時間、楽しむ時間を先に取りなさい。
グルノートの作り方
ページの縦、横、それぞれの中心から線を引き、ページを四分割しよう。
そして、四つのスペースそれぞれに名前をつける。
○右上のスペース「チッタ」
自分の内側の苦しみの感情を書き出すところ。
○右下のスペース「ディバイン」
その日一日をどのように過ごしたいか理想を書き出すところ。
○左上のスペース「ディクシャ」
理想がかなったときの感情を書き出すところ。
○左下のスペース「スワダルマ」
感情を味わいながら行動を書き出すところ。
きれいに書く必要はない。思うままに、素直に感じたことを書いてみよう。
何を書くかより、自分とつながる習慣が大事なので、その意識を育てていこう。
予想もしない形で願いはかなえられる!
願いというのは、執着を捨てて忘れたときにかなえられるものだ。
「最高の癒やしとは気づきと成長だ」
グルノートで奇跡を起こす六つのポイント
一つ目は、状態。美しい意図や状態からスタートすること。
二つ目は、内なる自分とつながること。自分で何を望んでいるのかを明確にすること。
三つ目は、内側のエネルギーを充実させておくこと。車で目的地に向かうには、動力源が必要だ。
四つ目は、その願いをノートに書いたり、人に話したり、イメージをしたりして表現していくこと。
五つ目は、時間をおくこと。思いが芽を出すまでに少し時間を与えてあげる。草や木でも、種を植えてから芽を出して育つまでに少し時間がかかる。これと同じだ。
六つ目は、願いを受け取る。願いはいつでも自分が思う形だけで現れるとは限らない。
自分がマインドで思っている以上のことが起こるから奇跡なんだ。
グルノートの長期目標では「立ち止まる日」を決める
年に数回は長期の目標を書く
○節分(旧暦の正月)
○春分の日や秋分の日
○自分の誕生日
節目に書く目標は、自分の願望や理想をより大きな視点で捉えたもの。
真っ先に書くのは「立ち止まる日」。
先に休みを決めることがとても重要なんだ。
「僕の人生の中で、僕の苦しみの種になっているものはどれだろうか?」
「傲慢さとは人や人生に対して最小限しか行動や与えることをせず、最大限受け取ろうとする行為だ」
怒りの正体は「認められたい」思いだった
僕が怒っていたのは、人から認められていないとき、そして自分が自分を認められていないときだった。
この戦略を、大人になっても九五%の人々が無意識に使うらしい。
人は傷ついているときに怒りを外に向けるんだ。
怒りの感情が出てくるのは、思っているように状況や他人をコントロールできないときが多いということ。
豊かさや幸せが人生に流れてくる「八つの鍵」とは?
一つ目は、知恵、叡智。
いにしえより伝わりいまも残る、時代に左右されないような叡智が必要です。
二つ目は、使命。目的をもって生きること。
小さくても意識を注ぐうちに使命や人生の目的に育っていくでしょう。
三つ目は、人間関係です。
解決していくと、人生に多くの希望、愛、安らぎ、幸福感がやってきます。
四つ目は、子孫。
子供を育てるということは、自分自身も成長し、癒やされていく行為。
五つ目は、資産、お金。
資産やお金は本当に大切です。しかし、お金は美しい状態からでないと維持できません。
六つ目は、美、健康。
人生でたくさんの豊かさを体験するためには健康的な体が必要。
七つ目は、チャレンジする勇気。
チャレンジによって新しい幸せや豊かさを手にし、自分では想像していなかった世界に進んでいくのです。
八つ目は、スピリチュアリティ。精神性、貢献と考えても良いでしょう。
自己中心的に生きるのではなく、他者や地球のために貢献して、感謝しながら生きていくのです。
これら八つが相互に関係し、豊かさや幸せを人生にもたらしています。
成功してわかった「夢をかなえること」の意味
本当の「成功」は、「成幸」何だと思う。
「成功」は自分の外側のことで、「成幸」は自分の内側のこと。
「苦しみ」と「問題」も同じ。
「苦しみ」は内側で起こることだし、「問題」は外側で起こることだ。
グルも「生きている限り問題はなくならない」と言っていたが、苦しみは少なくすることができるとも言っていた。
内側の苦しみがなくなり、自分の内側が成幸していくと、外側の問題は小さくなる。すると、それをすぐに乗り越えることができ、外側の世界ではより豊かに成功していくし、さまざまな奇跡やチャンスも引き寄せる。
こうして説明されれば当たり前だと思うだろうが、実際、人は日々の生活の中では、先ほどの話のように、目的と行動がズレていることが多い。
でも、グルノートを書いてから一日を始めることで、この人生のズレを少なくできることを僕は実感している。
「夢をかなえること」は、まず自分を美しい状態にしてからスタートしよう。
命の危機を救ってくれたグルノートの奇跡
いざというときに、ディバインがサポートしてくれるのは事実。
ディバインは、本当に美しい状態の人を助け、サポートしてくれるんだ。
どんな問題が外側にあっても、内側が美しい状態であれば大丈夫。
自分は宇宙と同じで無限大
グルが考案し建設された、瞑想や学びを行う寺院がある。ここには、人種・宗教なども越えてさまざまな人が集まる。
ここでよく唱えるマントラがある。
「ハムサ・ソー・エイカム」
グルによると、この言葉は次の意味らしい。
私の中にあなたがいる。
あなたの中に私がいる。
私たちは一つです。
グルによると、僕たちは宇宙と同じ無限大のパワーをもっている。
この場も、僕たちの一人ひとりのパワーでできている。
だから、僕たちは一つだ。
でも、そんな無限のパワーをもっているのに、苦しんでいる状態でいるためにそのパワーを使えないということだった。
「知っている」と「実践している」は、全く違う結果を生む
その知識を実際に自分の人生で使い、知恵に変えていくことによって役に立つものに変わっていく。
いわゆるジャーナリングやモーニングノートと比較すると、四マスに区切って考察する分、ただただ吐き出すだけでなく、心の状態とともに行動を改善する策を自ら提案する機会を得られる点が大きな相違点になります。感情が行動の質を変える働きが大きいわけですから、グルノートの効果は大きいといえます。本著内で言われる通り、まずは実践ですね。
本を読むときの自分の状況や状態によって、刺さる部分は違ってくると思われるほど示唆に富んでいます。客観的に自分の状況を考察したいときは、グルノートを実践しつつも本著を振り返ると良いのかもしれません。
ではまた。